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登録有形文化財 宿泊施設「沼津倶楽部」、文化を紡ぐ企画展「しきり」を開催

News Release

Post 2025.09.01

日本三大和紙「土佐和紙」の大暖簾が描くインスタレーション
日本の風土と共に育まれた「しきり」の文化を、自然素材や香りで投影

株式会社GREENING(東京都渋谷区、取締役CEO:関口正人)が運営する、静岡県沼津市に位置する宿泊施設沼津倶楽部は、株式会社イマトギ(静岡県沼津市、代表取締役:細見信彦)と共に、文化を紡ぐ取り組みとして「沼津倶楽部ギャラリー」を2025年4月に始動しました。2回目となる本展では、日本の「しきり」の文化に焦点をあてた展示を開催します。会場には紙の造形作家、一般社団法人カミスクを主宰する西村優子の作品を筆頭に、自然素材である紙や紐、石、香りなど用いた様々な「しきり」の形を投影します。日本三大和紙である高知県の紙漉き職人による「落水紙」を使った全長3メートルの大暖簾が空間を柔らかくしきります。沼津の名産である煎茶やほうじ茶の茶葉を使った特別な和紙や、和紙を用いた作品の展示販売も行います。


企画展「しきり」について
日本における「しきり」の文化の特徴は、柱で空間を区切る平安時代の寝殿造に多く見られます。壁を作らず、襖や障子、暖簾、几帳などを用いて、光や風、視線や音を遮るのではなく、緩やかに透過させるという発想です。自然の気配を感じながら暮らすことに、美と趣を見いだしてきた日本人の感性が、この「しきり」という文化に息づいています。

本展「しきり」では、日本の風土とともに育まれてきたこの独自の美意識に焦点をあてます。紙で仕切るという行為は、分断ではなく、気配を生み出すためのしつらえでもあります。和紙が風を受けて揺れるとき、その動きは風そのものの存在を可視化し、透ける光や揺らぐ影が、人と空間との関係をそっと問いかけてきます。足元にささやかな気配を置く関守石のように、日本には、“目に見えない境界”をたたえるための繊細なしつらえが受け継がれてきました。

「しきる」ことで生まれる余白、そしてその先に漂う、見えないものの存在感。しきりの向こうにたゆたう静かな気配に、そっと心を委ねてみてください。



伝統技法から作られる「落水紙」を使った大暖簾
本展示のメイン作品である大暖簾「しきりの紙」は、西村優子が制作・ディレクションを務め、異なる表現方法を用いた3名の作家からなる共同作品となっています。駿河湾のさざなみ、富士の湧水が注ぐ沼津倶楽部の水盤、富士川の砂利と土を層にした版築壁などから着想を得て、「落水紙」をメインに使用しました。紙の制作に欠かせない水に焦点をあて、和紙に水を落とすことで繊細に映し出される模様と、その伝統技法に共感したことから選定しました。また、「しきる」ことを作品を通して表現する中で、聴覚的なインスピレーションを用いた作品と合わせることや、からむしを使用し異なるテクスチャーを掛け合わせることで、作品に肌触りや奥行きを与え、多角的に表現しています。

 

「しきりの紙」作家コメント
西村優子
紙は水と共にうまれる形でもあります。
 本展では、高知で漉かれている和紙を豊富な水が湧き出
る沼津倶楽部の水盤に共鳴した「落水紙(田村寛作)」の紙を中心に構成しました。清らかな仁淀川の水を沼津の地にて、さらに宿という意識の切り替えになる宿の沼津倶楽部にて、紙の多様な表現を日本の「しきり」として体感して頂く場となれば幸いです。

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西村優子(紙)
「紙の造形作家」として活動し、海外の展覧会への参加や、企業・ホテルのインテリアやディスプレイ作品も多数手がける。折り紙にとどまらない紙と折りの可能性を追求し、山折り・谷折りの抽象的な作品を生み出し続けている。折形デザイン研究所メンバー。「こどもとデザインの実験室 二角形」主宰。
2024年10月より紙の作り手と使い手を繋ぎながら、紙の可能性を展開する一般社団法人 カミスクの代表理事。

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ますみえりこ
「からむし(苧)」は古来から繊維をとりだせる美しい植物です。もともと暖簾の素材として使われてきました。そのことから、今回、元来のもつ糸の力を率直に表現しました。糸の束なった様子が、和紙とあいまってうつくしく揺らぐ様子を感じていただけたら幸いです。 また、沼津の海の小石を手績みの苧の糸で結びとめた、しきり石も添えられています。

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ますみえりこ(苧)からむし作家
福島県昭和村の織姫制度にてからむしの事を学ぶ。からむしという植物から糸を績み、布を織っています。からむしの美しさを知ってもらうことが私の役目だと思い、からむしの特徴を活かし良さや美しさを引き出すような作品を作っています。

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資延 美葵(しのぶ みき)
title : sound sketches
 (35.0889290, 138.8496019) ,2025

 size : 1000 × 3000mm
 material : paper, pigment ink / 土佐和紙、顔料インク

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資延 美葵(しのぶ みき)

幼い頃から空間的共感覚を持ち、音を座標で認識する自身の身体感覚にもとづいて制作をおこなっています。
音のシリーズは、ある土地に滞在し環境音のスケッチ・リサーチをおこない、ドローイングやインスタレーションとして発表するものです。
今回の作品は、沼津倶楽部の周辺を歩いたときに採取した風と波の音をドローイングとして展示します。

山梨県生まれ。東京藝術大学卒業(2024)、東京藝術大学大学院美術研究科 在学中。卒業制作が「2024年平成芸術賞」を受賞。

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※落水紙を使用した暖簾:作 西村優子 /  中央2作品 「sound sketches」:作 資延 美葵(しのぶ みき)/ からむしを用いた暖簾:作 ますみえりこ

 

香りや石を用いた 「しきらない、しきりの形」
本展では、日本の文化として発展した 「しきらない、しきりの形」を、訶梨勒(かりろく)や関守石を用いて展示販売を行います。

※写真左 訶梨勒: 作 関根みゆき / 中央 関守石:作 山本考志  / 右 しきり石: 作 ますみえりこ

 

訶梨勒(かりろく) 作家:結び研究家 関根みゆき 
訶梨勒は慶事の床の席に飾られる香袋で、室町時代、「邪気を払う具」として柱に掛けたことが始まりと言われています。寝殿造りから書院造りへと住空間が大きな転換を遂げた時代においても、場を浄化し邪気を払う具として訶梨勒は床柱に掛けられ、茶席にも用いられました。伝統的な訶梨勒には五色の紐や赤い紐で結びが施されています。聖域を示す結びが俗なる空間のしきりとしての役割を担っていたとも考えられます。本作品では高知県の手漉き和紙「檀紙」と「にごり紙」を使用し、光沢のある正絹無撚糸を陰影が出るように組んだ紐で結びを施し、平安時代の邪気除けの具である「卯槌(うづち)」や「薬玉(くすだま)」に倣ったデザインに仕上げました。沼津倶楽部の香りと共にお持ち帰りいただけます。

関守石 作家:HOW TO WRAP_ 山本考志
関守石は、日本庭園や境内などで立ち入りを控えるための目印として、飛石や延段に据えられる石を指します。その歴史は古く、千利休の時代から伝わる習慣ともされ、茶文化から生まれたものであるという説も存在します。単に物理的に道を塞ぐだけでなく、足を止め、心を整えるための目印でもあり、わずかな手がかりから行動を控えるという、日本人特有の感受性と文脈を察することを前提に成り立つものでもあります。この関守石の造形を再解釈、再構築し、コンテンポラリーなアレンジを加え、オブジェとして昇華させました。沼津の石を黒い染料で染め、黒と絹色の紙紐で結びを施した沼津倶楽部限定の作品です。

しきり石 作家:からむし作家 ますみえりこ
からむしという植物から繊維を取り出し糸を績み、まとめ結びや、はた結びを用いて沼津の石と結び合わせました。壁や柱にかけ、心や意識のしきりとしてお楽しみください。

作品を見ながら味わう、茶屋 「数寄餅」
本展示では作品を見ながらお楽しみいただける茶屋メニュー「数寄餅(すきもち)」を提供します。沼津倶楽部は、三輪善兵衛が自身の別荘として数寄屋造りの「松岩亭(現:茶亭)」を建てたことに始まります。風流を好む数寄者であった輪善兵衛の精神を受け継ぎ、沼津倶楽部の歴史に想いを馳せ、四季の移ろいや沼津倶楽部らしさを表現したお餅をお届けします。ご予約不要で、宿泊やレストランの利用がなくても、入場いただいた方はどなたでもお楽しみいただけます。

数寄餅「辛酸」茶付き   
ラー油の辛味と黒酢の酸味が絶妙に絡み合い、一度食べたら忘れられない味わいの数寄餅「辛酸」。沼津倶楽部のレストラン「茶亭」が誇るシグネチャーメニュー「よだれ鶏」の特製ダレと共に楽しむ、和と中華が融合した新感覚のお餅です。

数寄餅「甘痺」茶付き  
自家製のみたらし餅に、四川のエッセンスとして山椒を添えました。まずは、甘さと塩味の調和が際立つ、伝統的なみたらし餅の味わいをお楽しみください。お好みで山椒をふりかけると、爽やかな香りが広がり、追いかけるような辛みと痺れが、みたらしの風味をより一層引き立てます。

 

展示について
タイトル:「しきり」
日 程:2025年8月20日(水)〜2025年9月7日(日)
時 間:13:00〜19:00(最終入場18:00まで)/  予約不要  
入場料:1800円(茶屋メニュー「数寄餅」1500円込)
会 場:沼津倶楽部 別邸
住 所:静岡県沼津市千本郷林1907-8※入場料、物販の販売については「現金不可」、交通系IC・クレジットカード・QRコード決済が対象となります。

沼津倶楽部について
千本松原の一画の庭園に佇む、約110年の歴史を持つ登録有形文化財のレストラン「茶亭」と、渡辺明氏によって増築された「別邸」からなる宿泊施設。駿河湾や伊豆近海の魚介はもちろん、自然豊かな地元の四季折々の食材を豪快かつ繊細に仕上げた、齋藤宏文氏監修によるモダンチャイニーズをお楽しみいただけます。松林と富士の伏流水が湧き出る水盤を望むわずか8室の客室、名建築で過ごす至福のひとときを提供いたします。

ウェブサイト:https://numazu-club.com/

沼津倶楽部 Instagram:https://www.instagram.com/numazuclub_official
沼津倶楽部ギャラリー Instagram:https://www.instagram.com/numazuclub_gallery/